ワークショップが終わったので、日記の話をする。
子供の頃から日記をつけていた。言いふらすのは憚られるようなことを、ネットに放流できないことを、書くためのノートのことを『日記』と読んでいた。
書くことは考えることで、考えていることを手放す行為だった。昔からぐるぐると考え込むことが得意で、その先で何かしらの結論を出すのが好きだった。それを忘れないように書き記した。途中経過も、結論も。
日記は考えることだったから、他者の日記にも興味があった。ずっと好きなバンドマンたちの日記を読んでいた。こんな歌詞を書く人は普段どんなことを考えているのか、何を書き記すのか。今も変わらず、そういうことばかり興味がある。それはコンテンツで、それは理解したいというエゴで、それは生きていることを知る手段だった。いきていると思った。たとえそこに生活が書かれていなくても、その人がそこに在るから素晴らしかった。
日記はずっと身近だったから、BONUS TRACKに日記専門店ができると知って驚いたし、やっぱりずっと気になっていた。月日会のメルマガを購読しはじめて、一瞬だけ自分も入ってみたりした。日記祭に合わせてZINEにしてみたりした。noteで日記を書く人同士で繋がってみたりもした。日記を誰かと楽しめるのかもしれないと思った。
世の中に日記ってコンテンツが新しいかたちで確立されていくのを横目に、自分の中では一瞬コンテンツ消費自体に飽きもして、結局一人で書いて落ち着く日々を送っていたところで、第4回の日記祭に稲荷さん(かれこれ8年くらい好きな、音楽を作る人)が出店することを知った。いまの始まりだった。
リアルで好きな人に会いにいくのまじで苦手なくせに勇気を振り絞って日記祭に行って、稲荷さんの他にも日記を買って、読む。やっぱり楽しかった。実は一番最初に申し込んだWSはphaさんの回だった。外れた。悔しかったからまた申し込んだ。古賀さんの回だった。当選した。
WS当選時、この行いによって世界の捉え方が変わったらいいなって思ってた。同じ日の他者の目と脳を借りる。ほかの生活を知る。ちゃんと変わったかな。どうだろうね。
日々、メンバーの日記の更新を確認するのはとても面白い体験だった。大体出勤時の電車か、昼休みに読んでいた。どういうことを書き記す人で、どんなところに目が向く人なのか、というのが少しずつ見えていくのがとても楽しかった。皆さんの日記はやはりちゃんと日記で、ある程度の文量で日々のアウトラインをなぞるものが多かった。正直、毎日毎日よくそんなに残せるなと思った。
こういうふうに他者の日記を読みながら自分が「思った」ことが、そのまま自分の捉え方の気づきになった。それは憧れだったし、自分の選択でもあった。そういうのは一人じゃわからない。だから良かった。自分の日記に大きな変化はなかったかもしれないけれど、このWSのお陰で言語化に至れたのだと思う。一歩進んだ。
メンバーひとりひとりは、ファンになってしまうくらい素敵な方々であったけれど、みんなどこか鏡で、ライバルで、やっぱり憧れだった。そう思えたのはただの日記を書く人たちってだけでなくて、これがWS参加者だったからなんだろう。きっと。
三ヶ月が終わる。MTGはもう終わった。少しずつ繋がりは希薄になっていく。でも多分その中にはいくつかの未来の予感も漂っている。面白いね。